とことん小学生向けの本!挿絵が多く字も大きいので読書嫌いの子にもおすすめ!
まず,本書を小学生のお子様にすすめても,自分ごととしてなかなか捉えてくれないでしょう。。。
慶應義塾を創設した福沢諭吉(1万円札の方)の著書「学問のすゝめ」を小学生でも分かるように要約された100ページほどの本です。
齋藤孝さんは学問のすゝめを現代訳されていて有名ですね。
学問のすゝめの内容はいうまでもなく,すべてお手本になるありがたいお言葉で,人生の指針となる明治時代のバイブルでしょう。
しかし,あまりにもスケールが壮大すぎて,お子様に本書を突然与えても,しっくりこない可能性が高いと思われます。。。
何に対してもいえるのですが,読書が読者の栄養になるのは,読者のタイミングなようなものが必要だと思います。
「今日はこれを読むぞ!」と張り切って読書するよりも,本棚にこっそり並べておき,何かのタイミングで本に触れ,その中の一文がお子様の腑に落ちれば大成功ではないでしょうか。ちなみに本書は,ゆっくり読んでも30分もかからないと思います。
この本は嬉しいことに,絵本のような上質な素材(紙が分厚くページ数が少ない)が使われているので,本体が劣化しにくく丈夫です。
教室や家庭の本棚に並べておき,子どもたちの自分のタイミングでふらっと読んでみるのに適しています。まずはふんわり読むのをおすすめします。
そもそも読書はそういうものです。興味がないものを無理して読む必要はありません。
日本一の自己啓発本「学問のすゝめ」を小学生でも理解できるように分かりやすく説明されています。
本書は何も諭吉だけに注目された話ではなく,齋藤考さんができるだけ現代の小学生にも「学問のすゝめ」の内容が理解できるように,小学校での出来事を例にしたりイチロー選手のことが書かれていたりと,色々な分かりやすい例え話が登場します。
一人にてこの日本国を維持するの気力を養ひ,もって世のために尽くさざるべからず
今の言葉でいうと
自分一人で日本という国を背おってたつくらいの気持ちをもって,世の中のためにはたらいてみなくちゃいけません。
夢や目標を持つことはとても大事だと書かれています。
よく言われる「何のために勉強するのでしょうか?」という問いかけをここでしてみたいと思います。
もちろん「偏差値を上げるため」に勉強はしていませんよね?笑
公開模試の成績を上げることは勉強の目的ではなく,通過点(目標)の1つなのです。
例えば,将来に医者になりたい人は医学部に入学しないといけません。大学受験で成功するためには,6年間を集中できる中学に進学するのが1つの方法です。志望中学に合格するためには,日頃の試験や課題を頑張る必要があるわけです。
ざっくりと,このような逆算ができると思います。
ただ,医者になるのも目標であって目的ではないのです。
例えば「病気や怪我で苦しむ人を救いたい」という志(こころざし)がすべての原動力になると,本書では示されています。
なりたい仕事のために就職するのではなく,やりたい仕事のために就職するのが大事なのです。
「学問のすゝめ」をもって現代社会で生きていくためには?
学問のすゝめは,激動の時代,幕末から明治を生きた諭吉が,愛国心や独立心(国として個人として)の必要性を,多くの人に知ってもらうために書かれた本です。
現代では,愛国心や国としての独立と言われても,なかなか身近に感じない人の方が大多数ではないでしょうか。私もそうです。
この国では,愛国心を持つと変に批判される一面もあります(靖国神社参拝など)が,現代日本の根幹を作った先人の考えを改めて尊い,美しい心を持って「日本らしさ」を守ることも,グローバル社会で日本人が活躍していくためには必要ではないでしょうか。
大袈裟に言うと,本書に触れて改めて「先人から学ぶことは多い」と気づかされます。
みなさまも本棚に日本一の教育書を並べておきませんか?