新連載企画「小学生でもわかる塵劫記」の第3回目です。
 
第1回「俵杉算」 第2回「入れ子算」
 

 
第3回は「からす算」というものを扱います。
 

からす算(単なる3つのかけ算)

 
からす算(からすざん)
 
算数ではほとんど出ない◯◯算シリーズですが,それもそのはずで,特別な解法などないからです。
 
 

999羽のカラスが999ヶ所の浦(浜)で1羽あたり999回泣くと,全部で何回の鳴き声がありますか?

 
ね!難しくないでしょ(^^)
 
塵劫記には,
 
999に999を2回かけると,
999×999×999=9億9700万2999になります。
 
とだけ書かれています。
他の章でもいえることで塵劫記は解説などあまり無く,「こうなります!」と結果だけが書かれているのがほとんどです。
 
数学になると,この計算もテクニカルに計算できるのですが,小学生であれば次にような計算がしっかりできておれば優秀です。
 
999をかける ⇒ 1000倍したものからその数自身を引く
 
まず999に999を1回かけます。
999×999=999×1000ー999=999000ー999=998001です。
 

丁寧に筆算を書いておくとよいでしょう。
 
さらにこの答えに999をかけるので,
1000倍したものから9998001を引きます。
 

998001×999=998001000ー998001=9億9700万2999
 
受験生の方は日頃から「この計算工夫できるのではないかな?」と疑って問題を解く姿勢が大事でしょう。
 
 
<P218 三目録 第八「からすざんと伝事」を参照>
 

「塵劫記」岩波書店


 
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(ソース)阪本龍門文庫善本電子画像集
 
 
つづき【和算】第4回「盗人算」小学生でもわかる塵劫記-じんこうき-