下剋上受験01

 
今さらながら,中学受験界隈で話題の書籍「下剋上受験」を読みましたよ(^^)
 
進学塾には通わず親塾(父親も勉強しながら娘を教える)という方法を選択し,桜蔭中学を目指した父娘のお話(実話)です。
こちらはお子様の向けの本ではなく,どちらかと言うと保護者の方が読む本です(念のため)。
 
(参考LINK)桜蔭中の入試問題は算数星人のWEB問題集でも取り上げています。
 

現代社会での下剋上とは。。。

下剋上という言葉を聞いて皆さまはどうような印象を受けますか?

げ‐こく‐じょう〔‐ジヤウ〕【下×剋上/下克上】
下の者が上の者に打ち勝って権力を手中にすること。南北朝時代から戦国時代、農民が領主に反抗して一揆として蜂起し、また、家臣が主家を滅ぼして守護大名や戦国大名になっていった乱世の社会風潮をいう。
出典:デジタル大辞泉

日本で最も大きな下剋上を起こした人物といえば豊臣秀吉を思い浮かびますね。足軽 → 天下統一を成し遂げました。
 
今回は受験競争の中で下剋上に挑んだ父娘のお話です。「両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!」とキャッチコピーでも紹介されています。
 
序盤は,高校を中退した中卒の著者の学歴社会についてどのように考え,なぜ娘の佳織さんを中学受験に挑戦させたのかが詳しく書かれています。もちろん,中学受験をする理由などは各家庭それぞれですし,何度も登場する「中卒」についてあまり特別な感情をいだきませんが,桜蔭中学を受験した佳織さんが,偏差値41から70に到達したのであれば,これは下剋上というタイトルがまさにふさわしいように思います。
 
勉強だけがすべてでは決してありませんが,目標に向かって突き進む姿はカタチ問わず美しいものです。
 
(関連BLOG記事)福沢諭吉の日本最強の教育書を小学生にも分かるように要約!こども「学問のすすめ」 齋藤孝
 

バイブル本ではなく ちょっとしたヒントを探す心構えで読んだほうが良い

この本の感想レビューなどを拝見していると,やはり多くの「感動した!」というコメントを見受けられます。
 
このBLOGをご覧の方は,すでに中学受験を予定されている方が大半でしょうでしょう。人の成功体験(結果として桜蔭は不合格だが)は心の支えにはなりますが,冷たい言葉を使うとあくまでも他人事でしょう。置かされている状況が人それぞれちがうので,云うまでもなくこの本のすべてが参考になるとは限りません。
 
どんなときでも言えることですが,本に書かれていることをすべて真似をする必要もありませんし,それが著者が望んでいることではないように思います。読むときのスタンスとして,何か1つでもヒントになるようなことを探すように読書されることをオススメします。
 
下剋上受験02
私は読書中にヒントを3つ見つけたので付箋を貼っておきました(^^)
 
具体的な塾名や各科目のおすすめ参考書も登場するので,みなさまにとっても少しでもヒントになることが登場するかもしれません。
 

桜蔭中学はミスを防ぐ方法を十分に研究した子に来て欲しい

いくつかのエピソードがありましたが,計算のミスがとても多い佳織さんに対して,お父さんのお話が,個人的には最も印象に残りました

人間はミスをする生き物なんだ。機械じゃないからうっかりミスをする。でもこれをどうやって防ぐかが重要なんだ。

ミスとどのように向き合うかを佳織さんに話します。

ヒューマンエラーといってね,人間がミスっちゃうことなんだけど,これを防がないといけない人が世の中にはたくさんいるんだ。

やはりミスを極限まで無くすことが,何かと批判の多い現代社会でのテーマでもあります。

桜蔭学園のOGにはお医者さんがたくさんいるらしい。お医者さん以外にもミスが許されない重要なお仕事に就く人がたくさんいると思うよ。将来そんな仕事を目指すような子が集まる学校なんだから「ミスをしないように注意する」程度の子は来て欲しくないと思うんだ。ミスを防ぐ方法を十分に研究した子に来て欲しいはずなんだ。

最難関校ほど入試問題そのものが,学校の欲しい人物像に似てきます。入試問題は学校からのメッセージでもあるのです。やはり第一志望校に関しては研究が特に必要ですね。
 
モチベーションアップにも関わりますが,どんな苦難も志望校に向き合うことがとても重要だと改めて思いました。佳織さんと同じように,計算ミスの多いお子様(生徒)にちょっとしたタイミングでお話されてみてはいかがでしょうか?(あくまでご参考まで)
 
すべての方に親塾が有効かどうかは全く言い切れませんが,現状としっかり向き合い,父娘2人3脚で志望校合格を目指す様は多くの読者の涙腺を刺激するのではないでしょうか。受験の方法論もますます多様化されてきましたが,受験生とその関わる方々が試行錯誤してベストな環境を整えることが重要だと思います。
 

そして不朽の名作「とんび」を無性に読みたくなった

さて,読書とはつながっていくものです。父娘の受験記を読んでいると,ふと「とんび」を再び読みたくなりました。
 
とんび

 
Kindleでダウンロードしてしまいました。。。ご存知の通り,こちらも特殊な親子愛(親バカといえば親バカ)が書かれた小説です。小学高学年の方でも読める内容なので,読書感想文などにもいいかもしれません。
 
そして。。。流行の教育本関連で,次は話題のビリギャル(進学校の中で)でも読んでみますか(^^)