新連載企画「小学生でもわかる塵劫記」の第7回目です。
第1回「俵杉算」
第2回「入れ子算」
第3回「からす算」
第4回「盗人算」
第5回「百五減算」
第6回「ねずみ算」
更新が滞っており申し訳ありませんでした。本日から少しずつ記事を増やしていければと思います。
第7回は薬師算というものです。
低学年の方でも理解しやすい内容ですので是非ご覧下さい。
薬師算(端数×4+12)
薬師算(やくしざん)
薬師算の「薬師」とは薬師如来から由来しています。
なぜ薬師如来が関係するかは後ほど説明いたします。
薬師算は方陣算の考え方の一つです。
いくつかあるご石を図のように正方形の形になるように並べていきます。
この場合は一辺の個数が10個で,ご石は全部で36個あるわけですが,薬師算は全体の個数を当てる一種の裏ワザのような計算方法です。
次にこのご石を一辺の個数が1列になるように並び替えていきます。
すると3列はすべて並び,4列目はあまり(端数)が出来てしまいます。
いまこの場合は端数が6個です。
なんと,ご石全体の個数は次の計算で発覚するのです。
どんな大きさの正方形に並べても同様のことがいえます。
この理由ですが,
正方形の形のとき,端数にあてはまる個数は図の赤線で囲った部分であります。
これは下の図のように4箇所あります。
すると残りの部分は4つのかどに3個ずつ,3×4=12個残ります。
この図で端数の4倍の個数に12個を足すと全体の個数を求めること理解できます。
薬師算という名の理由ですが12という数が関係するようです。
薬師如来は十二の請願(ねがいや誓い)を立てて仏となり,行者を保護する十二神将が薬師如来に属されたといいます。
また薬師如来の縁日は毎月12日といわれております。
薬師算は,薬師如来に由来する12を計算過程で用いるのでその名が付いたといわれます。
薬師算は浅野中学で出題されています!
またこの薬師算の考え方は,2010年の浅野中の入試で出題されたようです。
入試問題の参考にされた塵劫記「薬師算」も問題文の最後の説明にもしっかり記載されていますね^_^;
<P230-231 三目録第十四「やくしざんと云事有」を参照>
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(ソース)阪本龍門文庫善本電子画像集
つづき【和算】第8回「立木の長さ」小学生でもわかる塵劫記-じんこうき-